Tere!皆様こんにちは。
エストニアに初めて訪れた10年前は、タリン旧市街や市中心部を少し離れると、古い工場地帯のような場所や廃墟のまま放置されている建物も沢山ありました。
この街はどう変化するのだろう?というワクワク感そのものが、私のエストニアへの興味を増長させていたに違いありません。
さて、月日が経ち、タリンの中心地はもはや綺麗な北欧の街並みに変貌!
嬉しいような寂しいような、昔懐かしい姿が恋しくなったりと
母のような複雑な気分になっている、ライターのMayaです。
今回は、【Noblessner(ノブレスナー)】とよばれる大注目の再開発地区をお伝えいたします。
多彩な施設とマリーナ・Noblessner地区とは
ノブレスナー地区は、タリン北部に位置し、保存状態の良い木造建築が立ち並ぶ風情あるKalamaja(カラマヤ)地区とエストニア海洋博物館に隣接しています。
バルト諸国で最高の都市開発地区として、そして、タリン市で初めて「海に面した、人間に優しい計画」をモットーに開発が進められているエリアです。
タリン市内中心部と、世界遺産の中世のタリン旧市街よりアクセスが容易で、徒歩圏内という立地の良さも魅力的ですね。
ノブレスナー周辺では、爽やかな風が吹き込み、海が穏やかで美しく、海の存在感をとても近くに感じられて、とても居心地の良いエリアとして知られており、岸壁に沈む夕日を眺めることができる市内中心部で唯一のマリーナです。
ノブレスナー地区とマリーナは急速に発展しており、 ここで運営されているのは、エストニアで最も成功しているセーリングスクールの1つであるNYC Sailing School(NYCセーリングスクール)です。
マリーナのすぐ隣には、いくつかのギャラリー、KAI Art Centre(カイアートセンター)、装飾雑貨のShishi(シシ)、PROTO Invention Factory(プロトインベンションファクトリー)、Põhjala brewery(プフヤラ醸造所)、高級レストラン・180 Degrees Restaurant(180度レストラン)などの様々なレストランがあります。
また、10年以上にわたって、世界クラスの音楽および文化イベントを主催し、多くの芸術家、映画製作者、写真家に影響を与えました。
沢山のイベントが開催されるノブレスナー地区では、芸術・ビジネス・創造性・海事文化の要素が体験可能です。
殆どの通りや遊歩道は、歩行者専用となっているため、小さなお子様連れのご家族で訪れても安心で、散策するのにぴったりですね。
空気はいつも新鮮で、クリスマスの時期には、広場にクリスマスツリーが設置され、とても美しい景色を眺めることができます!
ロシア帝国の潜水艦工場だった・歴史的背景
ノブレスナーの遊歩道は、タリン湾に沈む素晴らしい夕日を楽しむのに最適な場所です。
バラエティ豊かな食と文化・海辺や街の喧騒を楽しみたい方に、お勧めの居住エリアでもあります。
今となってはスタイリッシュな建築が立ち並んでいますが、どのような歴史的背景やストーリーがあったのかをお伝えいたします。
かつては、ロシア帝国の主要な潜水艦造船所として機能していたのです!
ロシア帝国で最も重要だとされていたこの潜水艦工場が建設されたのは、1912年まで遡ります。
ノブレスナーという地区の由来は、St. Petersburg(サンクトペテルブルク)の2人のビジネスマン、Emanuel Nobel(エマニュエル・ノベル)氏と、Arthur Lessner(アーサー・レスナー)氏の名前を組み合わせて、Nobel+Lessnerという工場名となりました。
1913年から1917年の間には、合計12隻の近代的な潜水艦が工場で建造され、1918年にエストニアが独立した後、潜水艦の建造は中止されましたが、造船と修理は実は2018年まで行われていました。
そういった歴史的な背景もあり、この地域は約1世紀にわたって一般公開されることはありませんでしたが、2019年以降には数々の賞を受賞し、脚光を浴びています。
現在のノブレスナーは、歴史的な工業用の建物は、リノベーションされ、住宅やビジネススペースの開発にも使用され、以前に比べると、常に賑わいを見せるようになりました。
過去の工場地帯の名残も感じられ、モダンで近未来的な絶妙な雰囲気が楽しめる、エストニアならではの魅力的なスポットに変貌を遂げていますね。
アパート・高級レストラン・ショップ・文化施設は活気に満ちていて、地元の人々や観光客にも人気の高い地区です。
特に、海辺で生活するというアイデアは、自然とのつながりを大切にしている人々にとって、最も魅力的かもしれません。
Baltic Real Estate Awards2020
ノブレスナー地区の歴史的建造物は、マリーナや新しい開発とスムーズに組み合わされ、アパートの駐車場は完全に地下にあります。
2020年にリトアニアの首都・Vilnius(ビリニュス)で開催されたBaltic Real Estate Awards2020(バルトの不動産賞2020)で、BestUrbanRegeneration(ベストアーバンリゲネレーション)のカテゴリで受賞しました。
この地区の所有者、および開発者は、MerkoEhitus(メルコエヒトゥス)および他のパートナーと協力しているBLRTGrupp(ビーエルアールティーグルップ)で、 2014年から2019年の地区の最初の開発段階の総面積は53,000m2であり、そのうち33,000 m2がアパートで、20,000m2が商業施設です。
総投資額は8000万ユーロで、ノブレスナーの変容は急速かつスムーズに進んでおり、今日では開発の次の段階が始まっており、2025年に完了する予定です。
ノブレスナーの開発の第1段階は、他の賞も受賞しています。
以下が、ノブレスナーが授与された数々のアワードです。
ノブレスナーの賞歴
- Baltic Real Estate Awards 2020: The Best Urban Regeneration
(バルトの不動産賞2020/ベスト・アーバン・リジェネレーション) - Tallinn Entrepreneurship Award for Development Project 2019
(2019年開発プロジェクト・タリン起業家精神賞) - Recognition of the Estonian National Heritage Board for the restoration of Noblessner Foundry
(ノブレスナー鋳物工場の復旧のためのエストニア国立遺産委員会の承認) - Recognition of the City of Tallinn and the National Heritage Board for the restoration of the KAI Art Centre building
(タリン市と国立遺産委員会によるKAIアートセンターの建物の修復の承認)
アクセス方法
タリン市内中心部から車でのアクセスは、Kalaranna tee(カラランナテー)に沿ってドライブし、水上飛行機港とITエージェンシーの白い正方形の建物を過ぎたら、右折してLennusadama tänav(レンヌサダマ通り)に入り、すぐ左に曲がってAllveelaevatänav(アルヴェールタナヴ)に向かうと、そこからノブレスナー港の地区が始まります。
バスでのアクセス方法は、2つあります。
1つ目は、タリン旧市街・自由広場のVabaduse väljak(ヴァバドゥセヴァルヤック)駅より、73番「Kopli linid(コプリリーニド)」行に乗車・約9分で「Noblessneri(ノブレスネリ)」下車・徒歩約2分です。
2つ目は、Virukeskus(ヴィルケスクス)ショッピングセンターとKanuti aed(カヌティアエド)公園の間に位置する・Mere puiestee(メレ・プイエステー)駅より3番「Randra(ランドラ)」行乗車・約6分「Volta(ヴォルタ)」下車・徒歩約7分です。
【引用:Tallinna Linnatranspordi AS(タリンナリンナトランスポルディ)】
※ノブレスナー地区で明確な目的地がある場合は、下車駅を前後したほうが良い場合もございます。エストニアでは、英語が通じることが多いので、より正確なバス停を運転手さんに尋ねてみて下さいね。
タリン旧市街のRaekoja Prats(ラエコヤ広場)からは、徒歩約30分となっており、散歩や運動不足解消に最適です。
荷物を持ちながらや、足の不自由な方、時間があまりない場合には、車やバスの利用をおすすめいたします。
タリン旧市街からノブレスナーまで、タクシーでは、約10分の距離に位置しています。
いかがでしたでしょうか?
タリンに訪れた際には、ユニークな文化的なイベント・展示に触れあえる確率の高い、ノブレスナー地区のスケジュールを公式サイトでチェックしてみてくださいね。
夏のノブレスナーでは、爽やかなバルト海の風を感じながら、カフェタイムや散策をお楽しみください。
クリスマスの時期には、タリン旧市街では、中世の建築を背景に、ノブレスナーでは、バルト海を背景にイルミネーションで輝くクリスマスツリーを眺める時間も、またとない贅沢なひとときです。
今回はライターのMayaがお送りいたしました。
最後までお読み頂き有難うございました。