Tere!皆様こんにちは。
学生時代はアート漬けな日々を送っていたはずが、エストニアに出会って以来、現在までずっとエストニアホリックなライター・Mayaです。
皆様は、芸術鑑賞やクリエイティブな活動はお好きですか?芸術は秋だけではない!
本日は、日本からエストニアへ伝わった伝統文化の一つである”登り窯“と、エストニアの陶芸文化についてお伝えいたします。
創作活動に適した夏至の時期
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年間を通して涼しげな気候であるエストニアは、6月24日が夏至の日(Jaanipäev/ヤーニパエヴ)とされています。
*夏至とは、北半球において、一年のうちで最も昼の時間が長くなる日
ヨーロッパ各地で民間伝承は異なりますが、エストニアの夏至祭では、キャンプファイヤーの火を跨ぐことが有名です。
”登り窯”の歴史
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日本では、登り窯は中国・朝鮮半島を経て、16世紀後半に唐津で導入され、江戸時代はじめには唐津から、現在の岐阜県土岐市などである美濃をはじめに全国に普及していきました。
マキを焚く窯は薪窯(別名・穴窯)であり、歴史的には、穴窯が発展して、登り窯に変化していったとされています。
窯の大崎にもよりますが、日本では、登り窯の焼成温度は一般的に最高で1300度前後に保たれ、約60時間焼くのが普通だとされています。
登り窯の歴史
江戸時代には、商業の発達にともない、茶壺をはじめ、土鍋、徳利、水甕などの日常雑器が大量に生産されました。
明治時代から昭和の中頃にかけては、新しく開発された「なまこ釉」を使った火鉢生産がはじまり、一躍全国の需要をまかなうほどに大きな成長を遂げました。
その他、神仏器や酒器、茶器などの小物陶器や壺、火鉢などの大物陶器が生産され、質・量ともに大きな発展を遂げた背景には、登り窯の存在があったと言えます。
引用: 滋賀県立陶芸の森
エストニアにおける陶芸の歴史
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エストニアの窯の形も、確かに日本のものにそっくりで、なんだかフォルムが可愛いですよね!
諸説ありますが、エストニアに最初の陶器が到着したのは、紀元前3千年紀だとされており、すぐにバルト海の東海岸全体に広がりました。
エストニアで芸術としての陶磁器の開発は1920年代に始まり、 1930年代には、高温セラミック製法が主流になりました。
陶芸も学べるエストニアの芸術アカデミー
陶磁器は1923年以来エストニア芸術アカデミー(Eesti Kunstiakadeemia/エエスティクンスティアカデーミア)で教えられてきました。
エストニア芸術アカデミーのセラミック専門は、デザインとアートの両方の分野でセラミックを扱い、伝統的な専門知識とスキルを提供するだけでなく、新しい技術的可能性に挑戦しています。
引用: Keraamika — Eesti Kunstiakadeemia (artun.ee)
エストニアのデザイナー・アーティストの方々は、学んだことだけに囚われずに自由に創作しているのが魅力的で、プロダクトデザインを学んでから、陶芸に生かしたり、ペイントを専攻した後に、ガラスや陶芸などの様々素材に挑戦されています。
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情熱の作品制作・登り窯の魅力とは
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エストニアの芸術家が多くの情熱を注ぐ、登り窯で焼かれた作品は、一つとして同じ色合いのものがなく、成功と失敗の無限の可能性があり、いくつかの作品だけが思い通りの焼き上がりになるのだそうです。
このように屋外でインスタレーションを行ったり、作品制作したり、芸術家たちがのびのびと活発に創作活動を行えるこの夏の時期は、エストニアに暮らすアーティスト・職人にとって、とても大切な時期だということがわかります。
ものづくりを愛するすべての人達は、友人や家族と小さな村の製作所やアトリエ、登り窯のスタジオに集まり、活気に溢れて、楽しく作業している風景がみられるでしょう!
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陶芸家・インタビュー
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登り窯は、エストニアでも、日本語名で”noborigama”と呼ばれています。
エストニアで、日本の芸術的な伝統が語り継がれていると知ると、とても嬉しいですよね。
今回は、登り窯チームの一員で、エストニアや海外でも活躍している陶芸家・Margit(マルギット)氏にインタビューをいたしました。
「エストニアでも、通常、陶芸家は陶器を焼く伝統と古代の方法に興味を持っています。
真に情熱を持つプロフェッショナルであれば、その歴史について自然に情報を知るでしょう。
私たちは、エストニアで1つの登り窯をもっていて、それは協力して作られました。
その建築チームのリーダーには、エストニアの有名な陶芸家であるAigi Orav(アイギ オラヴ)氏がいました。
また、スウェーデンの窯建築家で陶芸家のLennart Eisenhart(レナート・アイゼンハート)氏が窯のレイアウトを手伝ってくれました。
また、エストニアには約10個のウッドキルンがあり、それらはすべて異なるタイプです。
日照時間が少しずつ長くなる5月末~9月が、エストニアでの登り窯のシーズンです。
登り窯は、例えば下記の写真の窯であれば、33~36時間かけて作品を焼いています。」
陶芸に心の情熱を注いでる・ハートの熱さが感じられて、エストニアの登り窯を見てみたくなりますね。
Margit氏、インタビューにご協力いただき、有難うございました!
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芸術の国・エストニアの今
エストニアの首都Tallinn(タリン)には、中世の旧市街が存在し、日ごろから街中がアートに溢れていて、創作活動を行う若者やアーティストにも優しい国だといえるでしょう。
ギャラリーの数も多く、沢山のアート作品やインタレーションに遭遇できるため、散歩するだけで気持ちの良い場所で、快晴の空を見ていると、自然と気持ちも上向きになりますね!
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情熱があれば、国境を越えて、文化を学びあえることが証明された熱いストーリーはいかがでしたでしょうか?
是非、皆様も機会がありましたら、夏のエストニアでアートに触れて、学んだり、体験してみてはいかがでしょうか。
陶芸教室やワークショップも各地で盛んにおこなわれており、きっと沢山の素晴らしい人々との出逢いと感動の連続であること、間違いなしです。
この記事を通じて、日本文化の素晴らしさを再発見したり、旅をしている気分になったり、この夏にクリエイティブなことを始めてみたいと考えている方のインスピレーションとなりましたら、幸いです。
今回は、ライターのMayaがお送りいたしました。
最後までお読み頂き有難うございました。